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フレッシュマンコースとは

フレッシュマンコース(2単位)は、春と秋の2回、総研大の新入学生を対象に、大学院生に必要な基礎的な能力や研究者としての素養の涵養を目的として行われている、4日間の集中コースです。以下では、その一部である「研究者と社会」についてご紹介します(フレッシュマンコース全体の説明や次回の開催情報については、こちらをご覧ください)。

「研究者と社会」セクションの目的

科学技術が大きな影響力を持ち、またその維持に多くの社会的支援を要する現代社会において、研究者には高度な専門性とともに、研究と社会との間で生じうる様々な諸問題への対応も求められます。「研究者と社会」では、ワークショップと講義を通じて、社会における研究者の役割や責任について考察していきます。

授業内容

本セクションは、研究者倫理(研究公正)、研究の社会史、科学コミュニケーションの三部からなる、一日半の授業です。第一部と第三部はそれぞれ、研究の質に対する責任、科学が社会に対して与えるインパクトについての責任に対応しており、これに加え、第二部で今日のような研究制度が成立してきた経緯や、その過程でいかに研究と社会が相互に影響を及ぼしあってきたかを歴史的観点から俯瞰することで、社会における専門職(profession)としての研究者の役割や責任について理解を深めます。

  • 第一部「研究者倫理」:はじめのワークショップでは、グループに分かれ、まずは広く研究を行う上での研究者の責任について、様々な角度から学生自身で考え、意見を共有して議論を深めます。続く講義では、研究不正の定義や、人や動物を対象とする研究を行う際の倫理的配慮、オーサーシップや査読にまつわる諸問題、利益相反などといった研究者倫理における標準的な知識を提供します。
  • 第二部「研究の社会史」:研究者の社会的な役割と責任は、時代と共に変化してきました。第二部では、研究者が職業として成立してきた過程、研究者と国家や産業との関係の変化について学びます。また、20世紀の戦争を通じて顕在化してきた研究者の道徳的ジレンマや社会的責任についても考察します。
  • 第三部「科学コミュニケーション」:研究者は社会の様々な相手に対して、自らの研究に関するメッセージを伝える必要が出てきます。その際、ステークホルダー(利害関係者)によって問題の捉え方が異なることが、コミュニケーションの妨げとなることがあります。第三部では、遺伝子組換え作物を巡る論争事例を題材として、研究者と市民とのコミュニケーションのあり方について考えます。ワークショップと講義を通じ、「研究者」として社会に伝えるべきメッセージは何か、異なる立場のそれぞれの価値観をいかに理解するかなど、科学コミュニケーションにおいて重要なテーマについて学びます。